下膨茶入 利休梅鉢緞子仕覆付き です。 ——　なにもなにも　ちひさきものは　みなうつくし 清少納言『枕草子』の151段、「うつくしきもの」の一節です。 小さなどんぐり、赤ちゃんのぷにぷにした手、コロコロの小犬。 そう…小さいものはなんでもみんな、かわいらしいのです。 こちらの茶入は、一般的な茄子茶入や、文琳茶入と比べましても、小さいサイズです。 もともと、茶入って小さいお道具ですよね。 その小さいお道具の中でも、更に小さい個体となりますと、なかなかレア物ではないでしょうか。 おちょぼ口に撫で肩、少しふっくらとした、しもぶくれのフォルムといい、まるでお行儀の良い鳥がちょこんと座っているような姿がたいそう魅力的です。もし銘を付けるとしたら…ライチョウかウズラあたりでしょうか。あるいはシンプルにヒヨコ、なども捨てがたいですね。 石州はお気に入りの小ぶりな茶入に「夜舟」と名付け、たいそう愛用したのだとか。 可愛がってくださる方に、お譲りいたします。